『スナッチャー』(PCエンジン版)クリア記録 1988年作が今なお刺さる理由

クリア日:2025/09/14
プレイ:PCエンジン版 1992年(オリジナルは1988年発表)


体験メモ

久しぶりにどっぷりのめり込んだ。PCエンジン版『スナッチャー』をクリア
一言でいうと——小島監督すごすぎ。

メタルギアMk-II

主人公を支援する小型ロボット。外見と動きが愛らしく、相棒としての存在感が強い。

有名な“時限爆弾”のシーン

過去に一度体験していたため、今回は思わず音量を下げてしまった。ゲーム内の仕掛けがプレイヤーの現実の行動に波及する好例。初見の緊張をもう一度味わいたくなる。

“現実に触れる”仕掛け

  • 電話:ゲーム内で実際に電話番号を手入力して発信する演出。
    今なら連絡先から選ぶUIになりそうだが、本作は“番号を打つ”体験そのものが演出。
  • データベース端末(ガウディ)人名や事件情報を検索して手がかりを得る。実務的操作が没入感を高める。

オープニングと音楽

トライサイクルでの導入カット、タイトルの楽曲の格好よさが際立つ。まさに映画のオープニングの質感。

当時の表現

現在の基準では難しいと感じるセクハラ的表現が一部に見られる。時代性の痕跡として記録。

謎解きと終盤

端末検索・証拠確認・選択肢判断など、手順型のアドベンチャーが気持ちよく機能。
ラスボスの性格描写は強烈(かなりイタイ)

1988年作という驚き

37年前の作品とは思えない完成度。現代の作品と比べても、演出と設計の巧さで強い没入を得られた。


想起した関連作

  • 『メタルギアソリッド』(PS, 1998)のサイコ・マンティス戦現実側に介入する仕掛けを想起。

まとめ

『スナッチャー』は、音・演出・インタラクションが重なって生まれる“現実とゲームの接点”が魅力。
メタルギアMk-IIの愛嬌電話や検索を自分の手で行う操作感映画的なオープニングと音楽
1988年発のアドベンチャーが、2025年の今も最高に楽しい時間を与えてくれた。


付記(次に遊ぶとき)

時限爆弾のシーンは、可能なら初見の緊張で再体験したい。

スーファミ1CHIP 音声デジタル出力化 最高画質、最高音質のスーファミを目指して。

目的

スーファミの音声をデジタル出力して、AVアンプ(cinema40)に入力、B&W 702S3で聴きたい。

ベース機とキット

  • スーファミはオークションで 1CHIP-01 を購入。
  • 光デジタル出力キットはアメリカの qwertymodo 氏が作っている SNES S/PDIF を個人輸入(SNS-CPU-1CHIP-01/02/03 用の Model 1 を購入)。
  • たぶん購入から到着まで 1か月 ほどかかった。

作業の難所

公式マニュアルを見ながら、Nintendo S-APU と書いてあるチップの上にこのキットを貼り付けて配線。
この細い足に 7本 配線するのがめちゃくちゃ難しかった。

公式には 30AWG のワイヤーでハンダせよと書いてあるが、持っていない。しかも探してもあまり売っていない。

調達したもの

  • 千石電商で
    • 協和ハーモネットの エナメル線 0.12mm
    • 耐熱架橋ビニル絶縁電線 AWG32(6色) を購入
  • Amazonで 白光のハンダこて先 1.2D型 を追加購入

作業環境の強化

いざハンダすると、肉眼ではかろうじて見えるが厳しい。
急遽、5倍の拡大鏡 をホームセンターで購入。
次は 実体顕微鏡(10倍/20倍) が欲しい。

結果と試聴

なんとか完了。たぶん6時間 くらいかかった。

FF6 のオープニングテーマ「予兆」でテスト。
一発で音が出た。最高。 やっぱり苦痛と幸福はセット(6時間の苦痛)。

特にハープのストリングスがアナログ出力に比べて クリア。聴いていて気持ちがいいです。
仲間を求めて」もやばい。泣きそうになる。

次の挑戦(画質)

次は 最高画質 に挑戦。
作りかけの RGBケーブル を完成させ、(SCART)で RGB出力 して PVM につなげる予定。

PS5コントローラーのドリフトを自力で修理してみた

DualSense が勝手にキャラクターを歩かせる―― いわゆる “ドリフト”。新品を買う前に、自分の手で直してみた備忘録です。道具さえ揃えれば意外とイケるので、同じ症状で悩んでいる人の参考になればうれしいです。


症状

  • 左アナログスティックが 1 年ほど前から勝手に左上へ入力される
  • DEATH STRANDING 2 では荷物が傾くし、Stellar Blade でも視点がブレてプレイに集中できない。
  • ペアリングし直しやファーム更新では改善せず。

新品を買えば 7,000〜8,000 円。ただ、真空管アンプ製作でハンダ付けを練習していたので「いけるかも?」とチャレンジすることに。


用意したもの

道具用途メモ
goot TP‑100 電動ハンダ吸取器スティックセンサの基板からハンダ除去手動ポンプより段違いに楽。ただし吸い残しに注意
** ハンダごて**追加ハンダ & リワーク細めの 0.6 mm スズ 60/40 を使用
無水イソプロピルアルコール (IPA)接点の洗浄綿棒でこすると真っ黒… 汚れの元凶でした
DeoxIT F5導電性プラスチック用潤滑・保護可変抵抗やフェーダー向け
精密ドライバー、ピンセット、ニッパー分解・部品取り外しニッパーは後述のトラブル救済にも活躍

💡 費用感

  • TP‑100:実売 15,000 円前後
  • IPA:1,000 円弱
  • DeoxIT F5:各 2,000 円程度
  • 使い回し出来るので長期的にはおトク。

分解手順 (ざっくり)

  1. 背面のネジ 4 本を外し、シェルを開ける
    バッテリーとフレックスケーブルを慎重に抜く。
  2. メイン基板を取り外す
    トリガーユニットを傷つけないように注意。
  3. アナログスティックセンサ (黄色いモジュール) を外す
    • TP‑100 でスルーホールのハンダを吸い取る。
    • 吸い残しがあると抜けないので、加熱 → 吸引を数回繰り返す。
  4. センサ内部をクリーニング
    IPA を綿棒に染み込ませて抵抗パターンと wiper を清掃。
  5. F5 を極少量塗布
    塗り過ぎは逆効果。軽く “シュッ” して綿棒で伸ばす程度。
  6. 逆順で組み立て
    はめ込みが固い場合は無理せず角度を確認。

しくじりポイント

  • 吸い切れなかったハンダでセンサが抜けない
    焦ってピンセットをこじる → パッドを剥がすリスク大。
  • TP‑100 のノズルが滑ってアナログスティック黒いところ
    やらかしましたが、ニッパーで溶けたバリを整形してリカバリ。

動作確認

  1. Gamepad Tester (ブラウザ) で XY 値をチェック。
    → 中央値が ±2 程度で安定すれば OK。
  2. DEATH STRANDING 2 を起動して実地テスト。
    → 荷物が勝手に傾かず快適に歩ける!

:::image-placeholder INSERT_IMG_3 テスター画面のキャプチャ:::


まとめ & 感想

  • 清掃だけでドリフトは 完全に解消。部品交換までは不要でした。
  • 15,000 円弱の投資で工具もスキルもアップデート。結果的にコスパ◎。
  • YouTube と ChatGPT で情報収集できる今、DIY のハードルはどんどん下がっていると実感。

“いい時代だね、なんでも出来ちゃう!”


今後のメンテTips

  • F5 は揮発するので、半年〜 1 年に一度 軽く再塗布すると安心。
  • 高温多湿を避けて保管。特に夏場は皮脂が酸化しやすいので要注意。

この記事が誰かのチャレンジの背中を押せたら幸いです。

なぜ、いまレトロゲーム?

最近レトロゲームがにわかに盛り上がっている。ふと気がつくと、僕もその波にしっかり飲み込まれていた――。

ノスタルジーという名のウイルス

戸建てを建て、本棚を自作して昔の本を並べた瞬間、埃をかぶった思い出が一気に蘇った。『CONTINUE』や『ファミ通』の背表紙が視界に入り、かつてアクションゲームばかり集めていた頃の高揚感が体を駆け巡る。ナツメ作品を中心に買い集めていた、あの“中途半端なコレクター魂”も健在だった。

PVM沼へようこそ

「せっかく遊ぶなら、当時よりもっと良い環境でプレイしたい」。そんな会話をAIと交わしたのが引き金だった。勢いで手に入れたSONY PVM。RGB入力の美麗さに感動する間もなく、現実は甘くない――画面焼けとスイッチ不良に直面する。

けれど逆境こそ最高のスパイス。接点復活スプレーと分解清掃、さらにはオークションで落札したソニーのトリニトロンのブラウン管のトランジスタを交換。真空管パワーアンプ製作で培ったハンダ経験がここで活きるとは思わなかった。

音が変わればゲームが生まれ変わる

試しに『ファイナルファンタジーV』をRCAでMarantz AMP →真空管パワーアンプ→ B&W 702 S3に通して鳴らしてみた。スーファミとは思えないダイナミクスに鳥肌。テレビのスピーカーでは埋もれていた低域や残響が立ち上がり、音楽が“今”の作品にアップグレードされた感覚だ。

次は本体をデジタル出力化し、iancanada DACへ。クロックを追い込み、真空管パワーアンプにプリアウトすれば、あのドット絵世界にオーディオ的な深みが加わるはず。Qobuzのハイレゾサントラと並べて聴き比べるのも楽しみだ。

僕がレトロゲームに惹かれる6つの理由

  1. 思い出の再体験
    あの頃のワクワクをもう一度味わいたい。
  2. ストーリーの再発見
    子どもの頃は理解し切れなかった物語を、大人の視点でじっくり味わいたい。
  3. 箱・カセット・取説への愛
    立体物としてのソフトも含めてゲーム。……ただし完璧主義は要注意。
  4. オリジナル環境への敬意
    開発者が調整した“本来の姿”をブラウン管と純正コントローラで体験したい。
  5. 最先端×レトロの融合
    PVM+デジタル改造+ハイエンドDACで、90年代のゲームを2025年スペックで再生する実験。
  6. 改造・修理という没頭体験
    ハンダを握り、配線を整理し、自分の手で“最高”を作り上げる過程そのものが楽しい。

静寂と好奇心のクロスフェード

僕の価値観である“静寂”と“好奇心”。レトロゲームはこの二つを同時に満たしてくれる。懐かしいメロディに心を静めつつ、「この環境ならどんな音がする?」と探究心が刺激される。ノスタルジーとテクノロジーが混ざり合う時間こそ、僕の理想のプレイグラウンドだ。


おわりに

これからもPVMのメンテやDACのアップグレード、真空管アンプの導入など、沼は深くなる一方。でも、その過程こそが僕にとっての“ゲーム”なのだと思う。次はどんな映像と音に出会えるのか――その好奇心が尽きるまでは、きっと僕はコントローラを手放さない。